二十歳になった6つ子のその後談、「おそ松さん」

テレビ東京で2015年から放送されていたアニメ「おそ松さん」。
数多くの腐女子の心を打ち抜いた大ヒットアニメです。

今作の元になったのは、誰もが知る伝説のヒットアニメ「おそ松くん」。
赤塚不二夫先生生誕80年を記念して制作されました。6つ子が二十歳の大人になった、という設定ですが、全員もれなくまさかの無職(ニート)+童貞です。

今作はキャラクターがかなりしっかり設定されていて、それぞれの個性が光っています。
・おそ松(長男):小学生男子がそのまま成長したかのようなキャラクター。まれに長男らしさを発揮することがある。
・カラ松(次男):えげつないレベルのナルシスト。兄弟から「イタい」と思われているが、本人はイタい自覚がない。
・チョロ松(三男):比較的まともな突っ込み役でアイドルオタク。
・一松(四男):無気力で不気味な毒を吐く。猫好きというか将来的に獣人化したいと願っている。
・十四松(五男):ハイテンションで目の焦点が合っていない(瞳孔開き気味)。奇行癖がある。
・トド松(六男):末っ子らしい計算高さと甘え上手な部分を持ち合わせる。愛称は「トッティ」。

大学にも行かず働きもせず、パチンコに行ったり家でダラダラしたりして生きているゴミクズですが、そんな自分たちをオブラートに包むことなく「底辺」と呼び、周囲をあからさまに羨むなど、人間らしさが描かれていて面白いです。力の抜けた生き方などが現代の若者の心情にリンクし、うまく表されているのかも知れません。

また、今作が注目されたのは、6つ子の声優がとても豪華だったこともあります。櫻井孝宏神谷浩史など人気の男性声優が演じるということで話題になりました。これまで、「おそ松くん」のキャラクターは歴代、女性の声優が演じてきました。男性声優が等身大の男子を演じるというところが親近感につながり、人気を呼んだのかも知れません。

女性人気が高く、6人それぞれに固定のファンが出来たのも注目すべきポイントです。それぞれのキャラクターがはっきりと演じ分けられているためか、「〜松girl」などといった呼び名でそれぞれの「松」にファンがつき、グッズなどもかなりの売れ行きを見せました。

多くのアニメが出ていますが、今作は2015年一人勝ちした作品といえるのではないでしょうか。